ユニオンは、2018年4月に、未払い賃金を支払わせるなど労働条件を改善し、保育の質についても改善を行っていくという合意を会社と結びました。その結果、労働条件は以前と比べて大きく改善したのは事実です。今は残業代が1分単位で払われ、休憩時間もきちんと休憩できています。しかし、未だに問題も残っています。特に保育の質についての問題です。

〇いまだ解決しない、保育の質問題
 私たちは交渉当初から、危険な保育をしてしまう保育士の改善を園に求めていました。子どもに怒鳴ってしまう、午睡中に寝てしまうなどの問題行動についてです。4月の段階では、それを改善していくと園長は約束しました。しかし、その約束が守られていません。例えば、その時の合意の中で、寝てしまう保育士にタイマーを持たせて常に注意させるなどの改善案を会社は出していましたが、8月8日の保護者説明会の時点でやっていませんでした。そして、4月の合意以降、結局午睡中に寝てしまうことが何度も起きていました。子どもを寝かしつけている最中に寝てしまったのか、手が子どもの首にかかったまま寝てしまっていることもありました。証拠として動画も撮りました。

〇低い労働条件の改善も求める
 現在の「なとりおひさま園」の保育士の給与は国の基準以下の劣悪なものです。国の基準では、保育士一人に想定されている人件費は年収約380万円(公定価格)です。しかしおひさま園では、正規保育士の総支給額は月16万円程度、賞与をいれても年収は220~240万円程度しかありません。きつい労働環境にもかかわらず、このような低賃金では、働き続けていくことは困難です。そのため、賃上げについても会社と交渉中です。

〇問題の本質的な解決のため、園長の退任を要求
 ユニオンは、この事実を園に突きつけ、改善のためにも園長の退任を迫りました。私たちはこの間のやり取りの中で、園長自身に大きな問題があると考えたからです。危険な保育を行ってしまう保育士の件に関しては、園長自身が責任をもって改善するとお約束いただきましたが、何も変わらないどころか、問題がある職員をかばうばかりで、実効力のある指導がなされませんでした。労働環境の改善に関してもそうです。話し合いを何度重ねても、話をはぐらかし、いたずらに時間だけが過ぎていました。よって、今回の問題を適切に解決するためには、園長の退任を求めたのです。少なくとも、現場の運営から退くべきとユニオンは考えています。
 改善を求めるうえで、私たちは名取市役所にもこれらの実情を報告しました。私たちは名取市役所に対しても改善を要請しています。

〇保護者に対しても不誠実な園長
 上記のような要求を行っている最中に、園とユニオンが一緒に参加する保護者説明会が8月8日に開催されました。その中で園長からは「様々な問題について、解決のめどがつきました。」という趣旨の説明がなされました。確かに未払い賃金や休憩時間が取れなかったことなどに関しては解決しましたが、合意書を結んだ以降も「保育の質」の部分に関してはまだ改善されていません。保育中に寝てしまう保育士の証拠動画も園には提供しました。それにもかかわらず、このような発言をしたのです。
 また、園長から午睡中に居眠りをしている保育士に関して「本人に聞いたところ、あれは寝ていたのではなく、子どもの心音を聞いていただけだとのこと。心音を聞きながら寝かしつけるなど、こどもの寝かしつけ方には色々あるものです。扉から見れば寝てるように見えた。」などと居眠りしていたことを認めず、かばう発言がありました。その発言を皮切りに、保護者からは、「寝ていないのならどうして合意書に、居眠り防止のためにタイマーをつける、監視役をおく、などと書かれているのですか?それは寝ていることを認めているのではないですか?」「タイマーは導入したのですか?」「監視役を設置するということはお金が発生する。無駄ではないか?壊れたおもちゃで子どもが遊んでいる姿を見かけるが、子どものために還元した方が有効ではないのか?」「合意書内に書かれていることで達成できていない項目はどれですか? それはそんなに実現が難しいことなんですか?」「2人の問題のある保育士は改善の見込みがあるんですか?」など園側への厳しい意見をたくさんいただきました。それでも、園長は組合との約束を履行しなかったことに関して、自らの非を認めようとしませんでした。それどころか、保護者からの意見が疎ましいような表情をみせました。子どもを預けている保護者は、納得ができない様子でした。
 その後、保護者から「合意書内の達成できていない部分について、それぞれ個別にどのようなスケジュールで実行していくかを保護者に書面で知らせるという形はどうか?」というご提案をいただき、園側は「そのようにすることをお約束します。」と発言し、説明会は終了となりました。その後、保護者の数名と話しましたが、どの方も園長の態度に不満を持っていました。少なくとも、誠意のある対応ではありませんでした。

〇現在も十分な改善が見られない保育の質
 このブログを公開した本日(9月8日)まで、まだ保護者にも改善していくための「スケジュール」は知らされておりません。たくさんの保護者の前で約束したにもかかわらずです。4月に合意書で決めた内容も達成できていない項目もたくさんあります。現場でそれらを指摘しても、やはり園長は当該の職員をかばうばかりで、実際に危険のある子どもやその保護者に対しての誠意が見えません。「安心して子どもを預けたい」と思っている保護者に対してこの不誠実な対応は許されるものではないと私たちは考えます。

 ユニオンは今でも、このように非を認めず、問題のある保育士を教育するどころかかばい続ける園長に退任を求めています。問題のある保育士への対応も急を要します。子どもたちに何かがあってからでは遅いのです!ユニオンは、ひとまずの解決案として、問題のある保育士を一時的に配置転換し、問題ない保育ができるようになるまで現場にいれないよう求めています。しかし、現在もそれは実現していません。
 子どもたちを守り、保護者の方が安心して大切なお子様を預けていただける園になるよう、ユニオンでは引き続き改善を求めていきます。今後ともご支援よろしくお願いいたします。

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