介護・保育ユニオンは、派遣会社であるウィルオブ・ワークに以下の要求を掲げて団体交渉の申入れをしました。
【会社への要求内容】
・4月分の休業について、会社都合の休業であるとして、満額の賃金補償。
・派遣社員へ、安全配慮の一環としてシフトの削減。
・保育園という三密が避けられない環境の元で働いている為、危険手当の請求。
経緯と派遣保育士である私の願い
〜職員の出勤を減らし、子ども達への感染リスクを抑えたい…!〜
4月に緊急事態宣言が出され、足立区の保育園は休園となり、4月9日から臨時保育が開始されました。
その際、保育園に登園してくる子どもの人数は普段の約1/5程度だった為、職員は交代で出勤し保育をしていました。
しかし、この間に休業した日数分の賃金は正社員には満額支給するが、派遣社員は6割の支給と派遣会社から言い渡されました。
また、4月中旬までは職員が交代で出勤していましたが、子どもの人数に対して保育者が少な過ぎる事を園長に伝えると、私はその次の日から毎日出勤して保育にあたっていました。
5月に入ると、正社員は在宅勤務を言い渡され自宅で研修を行うようになりました。その間パートや派遣社員等の非常勤が保育にあたり、毎日フルで出勤していました。
また、正社員はパソコンを使ってオンライン研修を受けていましたが、自宅にパソコンがない職員は保育園に出勤しており、三密を避けるということが全く守られていませんでした。
三密が防げていない状況で、職員の安全配慮がなされておらず、同じ職員達が毎日出勤する事は子どもたちのコロナウィルスに対する感染リスクが高まって危険だと言う事を園長に伝え、また、パートや派遣社員にも参加出来る研修や制作、書類等があるはずなのに「在宅勤務でやってもらう事がない」と言われ、現状が変わる事はありませんでした。
要求の申し入れ、派遣会社と団体交渉をしました。
そして、ユニオンに相談し、加入した私は5月16日に高砂福祉会へ団体交渉の申し入れに行き、総務長と電話でやり取りをしました。総務長は突然本部に押しかけた事を嫌がり、最初は要求を聞こうとしませんでしたが、ユニオンの力を借りて、なんとか要求を聞いてもらう事が出来ました。
また、ウィルオブ・ワークへはFAXを送り、ユニオンを通じて電話で要求を伝えてもらいました。
しかし、5月22日にウィルオブ・ワークからは回答が来ましたが、高砂福祉会からの回答はなく、派遣会社を通して回答するとの事で、団体交渉も拒否して来ました。
在籍園児は減っていないのに、派遣切り?!突然言い渡された契約期間の終了
先日行われた、ウィルオブ・ワークとの団体交渉では、4月に休業した日数分の賃金も満額支給するとの回答が得られました。しかし、危険手当は支払う事が出来ないとの事でした。
また、安全配慮の一環としてシフト削減が出来ないと高砂福祉会に言い渡された為、5月25日から6月末まで自宅待機をウィルオブ・ワークが求めたとの事で私は6月末まで自宅待機となりました。4月は交代勤務もできていたので、シフトが削減できないというのはあまりにも矛盾した回答でした。
そして、今後コロナウィルスの第二波、第三波が発生した際の対応を聞くと、高砂福祉会から、6月末にて契約期間満了となる為その後の更新はしない事を記された書面を渡されました。理由は、登園自粛で登園児が7〜8割になることが今後も予想されるため、人員が余剰となるためとのことです。
しかし、登園児が減っていても、在籍園児数が減っているわけではないので、行政から出される運営費(委託費)は変わらず支給されます。園として減収するわけではないので、給料は十分に払えるはずです。派遣を切ってでも、委託費を儲けたかった、そんな園の本音が聞こえるようで、憤りを覚えます。私は担任業務を任されていたので、子どもたちのことを思うととても心配です。
コロナウィルスによって明かされたウィルオブ・ワークの実態
私は元々フリーの派遣保育士として入社しましたが、4月から人手が足りず、私が担任業務を任されていた事をウィルオブ・ワークの社員は1人も知りませんでした。
また、高砂福祉会の直接雇用の社員達が4月は特別休暇をもらい、賃金が満額補償されている事も知らず、5月に入ってから非常勤のみが現場で業務に至っていた事実すら確認出来ていませんでした。
これらをウィルオブ・ワークは、高砂福祉会から連絡がなかったからと述べていましたが、派遣会社としての責任や役割が全く果たされていなかったのです。
派遣会社の責任として、派遣先に団体交渉に応じるよう求める事を要求しましたが「言いづらい」との事で、やはり責任感を全く感じられませんでしたので、今後ユニオンを通じて会社の宣伝等を行って要求に応じてもらうよう訴えかけていきます。
皆様の応援を宜しくお願い致します。
私は現在、派遣保育士としてこの活動を行っていますが、元々は正社員として全く別の保育園に在籍していました。しかし、派遣社員であろうが、現状を変える為に声を上げる事に雇用形態は無関係で、子どもを守る為に思うその気持ちが大切だと思い、今回労働組合を通じてこのような行動に踏み出しました。今後も一切諦めずに会社と交渉をして参りますので、皆様の応援どうか宜しくお願い致します。