長らく報告できておりませんでしたが、ゆりかご認定こども園との労使紛争の結末をご報告いたします。紛争終結後も不誠実な対応を続けるゆりかご認定こども園に対して、残念ながら再度抗議の声を上げなければいけない状態になりました。そのため、これまでの経緯等含め、詳細をお伝えいたします。
〇ゆりかご認定こども園との闘争の振り返り。1000万円を超える解決金を支払わせることを約束させた一方、支払い方が非常に不誠実だったため、提訴へ
私たち介護・保育ユニオン及び組合員らは、2017年2月より、ゆりかご認定こども園と団体交渉をはじめました。当初から、園側は不誠実な対応を行っており、ユニオンや組合員の誹謗を行っていました。それらについて当ユニオンは粘り強く抗議し、交渉を重ねてきました。その過程で、多くの被害者が当組合に加盟し、全部で9名の組合員の労働条件などに関して交渉してきました。その中で、園側が行った様々な違法行為や不適切な行為について証拠をつきつけていき、中には、子どもにとっては虐待と考えられる行動もあり、動画を開示するなども行いました。その結果、2017年6月ごろ、ようやく園側は責任を認め、労働環境の改善を約束し、ユニオンへの誹謗を謝罪しました。その後は、労働条件の改善や解決金支払いについて前向きな交渉が続けられました。
そして、最終的には、組合員らに和解金を払う形で、介護・保育ユニオンと園は合意を行いました。2017年9月6日のことです。和解金は、合わせて1000万円を超えていました。未払い賃金やパワハラ、誹謗中傷についての和解金の合計です。ただし、解決金の支払い方に関しては交渉継続となりました。それについて交渉を続けていましたが、園側からはひと月合計10万円ずつ払うという、和解金に支払い方法が提案されました。これは、それぞれの当事者に対してひと月1万円程度という、非常にわずかの額を、10年以上かかって支払うというものでした。それが実際に園の経営体力がないことが理由であれば納得することもできますが、この時出された園の決算書にも不審な点があり、この時点では納得できるものではありませんでした。ユニオンは、引き続き交渉を行いましたが、最終的に園側は、これまでの団体交渉の過程を無視し、またこれまでの代理人弁護士を通さずに、いきなり別の弁護士をたてて裁判所による調停を申し立てました。ユニオンとの団体交渉を拒否したも同然の行為で、不当労働行為であることを抗議しましたが、まったく聞き入れませんでした。このような事態を打開するために、ブラック企業対策仙台弁護団に依頼し、訴訟にて和解金の支払いを求めることになりました。2018年の5月ごろでした。
〇裁判では勝利和解。当初の園側提案以上の支払い方法で和解
裁判の過程でも、園側は度々不誠実な対応を行いましたが、時間をかけてようやく、2019年の11月、和解が成立しました。これによって、園側は毎月20万円ずつ、ユニオンや組合員に対して払っていくことになりました。しかし、現在も度々送金が遅れており、不誠実な対応は現在も続いています。
〇ゆりかご認定こども園、HP上でユニオンや組合員への誹謗中傷を行う。このことについて抗議中
ゆりかご認定こども園は、2020年6月22日付で、「ネット上の誹謗中傷について」(http://www.yurikagoyochien.jp/oshirase/20200622.html)という文書をHPにアップしています。これは、下記の通り、ユニオンや組合員に対する誹謗中傷に当たります。私たちは、ゆりかご認定こども園の名誉棄損に強く抗議するとともに、下記の通り申し入れました。これについて、返答を待っている状態です。もし、誠実な対応がなければ、法的手続きを検討します。下記が抗議内容です。
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抗議内容(「貴法人」はゆりかご認定こども園を指す)
1 誹謗の事実
(1)貴法人のHPのトップページには「ネット上の誹謗中傷について」と書かれた大きなバナーがあり、そのバナーをクリックすると、上記の「ネット上の誹謗中傷について」というページに飛びます。このページの内容は私たちの組合名を挙げていないものの、当組合が貴法人に申し入れたことについて書かれていることが明白です。
(2)このページの内容は次の点で事実を歪曲し、当組合と組合員を誹謗するものです。
①貴法人は残業代を適切に払っていないなど法律違反を行っていた
②しかし貴法人はこのページで、自らの法違反に関する事実を隠蔽し、あたかも貴法人が労働法規を守っていたかのように書き連ねている。
③そのうえで私たちを「悪い労働者」とし、組合員の勤務態度等について虚偽の事実を書き連ね誹謗している。
④組合の正当な言論活動を誹謗中傷と規定している。
⑤未払い残業代を請求する労働者=当組合を指して「良からぬ団体」としている
(3)また、貴法人はこれまでも、2019年10月31日発行の11月の園だよりにて、当組合を誹謗する文書を保護者に配布しています。
これまでの貴法人の言動や態度、ここで述べている内容を鑑みるに、当組合の名前が出ていないとはいえ、当組合及び当組合の組合員らに対する誹謗であることは明らかです。
2 謝罪及び名誉回復措置の履行
(1)謝罪及び名誉回復措置の履行
①上記のHPや別添文書は当組合及び組合員の名誉を既存するものであることを認めてください。
②当組合及び組合員を誹謗したことについて誠実に謝罪してください。
③上記HP及び別添文書の内容を撤回し、その旨を書いた文章をHP上で3か月間表示してください。
④同様の内容を、保護者に文書として配布してください。
(2)上記のHPの内容と別添文書が当組合を指すものでないのなら、事実関係を具体的に説明してください。
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なお、今回の抗議文は、書面で書留にて郵送しましたが、
法人側は受け取らず、一度返ってきました。
この園の園長たちは、自分たちに都合が悪いものは受け取らないということがあると従業員より聞いています。
今回もそうだったのではないでしょうか。
営業時間中に届いているのに、「不在」になっていました。
届いた日(7月30日)にはゆりかご認定こども園がやっている「ブログ」は更新されてもいましたので、
営業しており、受け取ることはできたはずです。
こういうところもとても不誠実だと思います。
〇ゆりかご認定こども園の従業員や保護者からは、いまだに相談が寄せらる。はやく改善してほしいです。
ゆりかご認定こども園で働く従業員の方や保護者の皆様から、今でもときおり相談が寄せられます。残念ながら、労働環境や保育環境には問題があるようです。私たちにできることであれば協力したいと思いますので、お困りの方はご相談をお寄せください。どうぞよろしくお願いいたします。