「キンダーナーサリーなとりおひさま園」(以後、「なとりおひさま園」と表記)は宮城県名取市にある小規模保育園で、この園で働く在職の保育士7名がユニオンに加入し、8月からこれまで3回の団体交渉を行っています。3回の交渉の主な内容は次の通りでした。申し入れ時の様子は過去のブログをご覧ください。

〇【第一回団体交渉】ボーナスを支払わせ、園長のパワハラをなくすことに成功!
 「なとりおひさま園」では8月末に夏のボーナスが支払われることになっていましたが、組合員にはボーナスがありませんでした。
 園長は、組合員に「こんなことをして、良いわけがないの。やってはならない。黙ってたら給料も上がってくる、ボーナスもでる。そうことでしょ?」と言いました。組合に加盟して労働条件の改善を申し入れるような保育士には昇給もボーナスも出さないということです。労働者が労働組合活動をすることは、法律にも定められた正当な権利で、ボーナスの不支給は違法行為です。
 団体交渉では園長の発言について謝罪を求め、ボーナスを支払うよう求めました。園長の発言の録音も証拠として提出しました。会社はユニオンに謝罪し、その後ボーナスはきちんと支払われました。
 また、この日の交渉ではパワハラを止めるようにも要求しました。会社は交渉の場で事実を否定したものの、この日以降、園長室に呼び出されて何時間も説教されたり、プライベートのことで嫌がらせをされたりということはぱったりなくなりました。パワハラがなくなったことで、だいぶ働きやすくなりました。

〇【第二回団体交渉】午睡中の交代休憩を導入で休憩時間がとれるように/子どもの安全問題は解決されず。
 二回目の話し合いでは、まず、休憩時間がとれるように調整することを会社は約束しました。今では、午睡中の時間に交代で休憩に入れるようになり、ずっと張りつめていた環境から解放されることになりました。

 また、子どもの安全を守るために、一部問題のある保育を行っている保育士を指導するよう求めました。現在までのところ、他の保育士の必死のフォローで、大きな保育事故などは起きていませんが、いつ大きな事故が起きるかわからないようなないようです。
問題は具体的には以下のような点です。
①子どもの対応の問題
 ・自分の手を拭いたハンカチ(タオル)を子どもの顔にかけて面白がっている。
 ・えずくほど大量の食事を子どもに口の中に入れる。
②子どもの安全管理ができない、子どもにケガをさせる危険がある
 ・自由遊び中、子どもの様子をきちんと見ていない。
 ・背中に背負っている子どもに、手を添えないまま自分が立ち上がる。
 ・子どもの片腕を片手で持ち上げる(肩が抜ける恐れがある)。
 ・子どもたちのお昼寝時間中は、子どもの監視が欠かせないが、一緒に眠ってしまう。

 私たちが子どもの安全のために、と早急な改善を求めると、園は渋々ながらも改善案を出すと約束しました。ところが、それから1か月以上経っても改善案はだされませんでした。子どもの安全を軽視しているとしか思えません。

〇【第三回団体交渉】子どもの安全のための組合の改善提案を受け入れない会社
 三回目の話し合いでは、ユニオンから子どもの安全を守るために次の2点を提案しました。

①問題のある保育士に研修を受けさせる
②研修が終わるまでは、子どもの数が少ない時間に保育や事務作業を中心にさせる

 園長は、組合の提案を受け入れませんでした。かといってこれまでと違った改善案も出しません。子どもの安全をないがしろにする園長の態度は、非常に問題があるとユニオンは考えています。

 ユニオンは、今後も様々な取り組みを行いながら「なとりおひさま園」の改善を求めていきます。
 今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

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