Q1 賃金のもとになる労働時間の計算の仕方を教えてください。
私の職場では、残業は15分単位で賃金計算されています。これって仕方ないのでしょうか?
A1 賃金は1分単位で計算します。
賃金は1分単位で計算するのが原則です。労働時間の切り捨ては認められません。
◆労働時間計算の原則とは
毎日の労働時間は1分単位で正確に計上することが労働時間管理の原則です。
たとえば、15分単位や30分単位等で労働時間を管理し、端数を切り捨てして賃金計算することは、切り捨てられた時間分の賃金が未払となるため法律違反です。
例外として、行政通達により、1ヶ月における時間外労働、休日労働および深夜労働の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることが認められています。
Q2 掃除の時間は労働時間ではないのでしょうか
朝、タイムカードを押す前に掃除等を行います。終業時間の際も、タイムカードを切ってから働いていて、賃金が実際の労働時間の分払われていません。支払ってもらうことはできないでしょうか?
A2 掃除や着替えは労働時間です。
掃除等も業務の一環ですから、賃金が発生しています。賃金は、タイムカードではなく、実際に働いた時間通りに支払わないといけないため、膨大な未払い残業が発生していると思われます。
◆サービス残業とは
サービス残業とは、残業代が発生しているにも関わらず、それを受け取らずに行う労働のことをいいます。
法定労働時間を超える労働には残業代が発生します。原則的に、1日8時間、1週40時間が法定労働時間となります。特例措置として、10人未満の商業、映画・演劇業(映画製作の事業を除く)、保健衛生業、接客娯楽業については、1日8時間、1週44時間が法定労働時間となります。
・サービス残業の違法例
以下のようなものが、典型的なサービス残業の事例です。該当する方は未払い残業代が発生していますのでそれを取り返すことができます。
①定時前に施設に行き、着替え、掃除、朝礼等をしている
②休憩時間に事務作業をこなしている
③定時後に、業務をはじめ、打ち合わせ・片付け・終礼等をしている