株式会社こどもの木(代表取締役:島貫征之氏)が運営する認可保育園「こどもの木保育園」の浦安市にあるA園で働いていた、当時の園長を含む保育士たち3名が介護・保育ユニオンに加盟し、同社の補助金の不適切な申請・受給の疑惑や、パワーハラスメントの問題について告発し、誠意ある対応を求めています!
 以下は、組合員の保育士たちからの報告です。
 
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  A園では、今年7~9月に栄養士1名、保育士5名(そのうち1名は園長)が大量退職してしまい、深刻な人手不足に陥ってしまいました。
 私たちは以下に述べるように、不本意な退職を選ばざるをえませんでした。下記の問題にすべて誠実に対応してもらうことさえできれば、子どもたちのために改めて復職したいという意思を持っており、対応を本部に求めています。
 
「虐待」「不適切な保育」として、本部からのパワーハラスメント
 
 今年7月、私たちのうち2名は本部から、虐待や虐待に準ずるような不適切な保育をしていたという疑いをかけられました。しかし、具体的に根拠を提示されたわけではなく、事実一つ一つを検証する詳細な調査や聞き取りはされていません。そして、二人とも疑惑をかけられた行為について、事実を一切認めたこともありません。
 それにもかかわらず、根拠の曖昧な、「疑惑」に過ぎない行為のリストが、あたかも事実であるかのように、こどもの木保育園6園の職員に公表されました。私たちは一方的に虐待や不適切保育を行う保育士と決めつけられるかたちになりました。保育士としての自信を傷つけられ、私たちは立ち直れないほど深いショックを受けました。
 また、取締役からは、クラス担任から外すことを明言され、他園への異動につながると思われる研修をちらつかされました。まともな調査のないままの、事実上の「処分」を通告されたことでさらに精神的に追い込まれ、2名は退職を余儀なくされました。本当は退職などしたくありませんでした。
 私たちも、虐待はもちろんのこと、不適切な保育をしたという認識はありません。もちろん保育観の違う保育士とのあいだで、話し合いの対象となるような行為が何もなかったとまでは思いません。しかし、私たちは子どもたちや保護者の方に顔向けできないようなことをしたとは思っていません。
 取締役も、当該保育士の退職時に、「どこの園にもあることで、誰にも先生たちは心当たりがあること」と話しており、保育に問題があったとは考えていないことを明らかにしています。
 園長もまた、保育士2名の疑惑について全責任を押し付けられ、社労士によれば懲戒に値するとまで言及され、体調が悪化し、退職せざるを得なくなりました。
 また、9月3日には保護者説明会が開かれ、私たち3名について、再び根拠の曖昧な疑惑が公表されたと聞きました。しかも、私たちは事実を一切認めていないにもかかわらず、事実を認めた人もいると取締役が説明したと知り、私たちは改めて、拭いきれないほどのショックを受けました。
 これらの行為は、本部によるパワーハラスメントにほかならないと思います。
 保育士は子どもの前で明るく、元気に、笑顔で接したいにもかかわらず、パワハラが起こることで、それが妨げられ、精神的にも追い詰められます。また繊細な子どもたちにも影響を与えてしまいます。退職者が多くクラスの担当保育士が何度も変更することで子どもたちも不安に思ってしまい、精神的な負担を与えかねません。
 
取締役らが浦安市の補助金を不適切に申請・受給していた疑惑
 
 株式会社こどもの木の保育園には、もう一つ大きな問題がありました。浦安市の補助金を不適切に申請し、受給していた疑惑があるのです。そして、そのことを問題視していた園長が目をつけられたと私たちは考えています。
 取締役らは、結果としてA園では働いていない職員たちについて、A園で勤務するものとして浦安市に補助金の申請を行っていることが複数ありました。確かに、申請段階の計画と実態が異なってしまうことは一般的にはあるでしょう。しかし、私たちは、取締役がこの職員について、当初からA園で働かせる計画はなく、別の園で働かせるつもりだったにもかかわらず、A園において、補助金を「水増し」するような形で、浦安市に申請したものと考えています。
 実際、今回ユニオンに入った当時の園長の目の前で、取締役たちは、浦安市の監査があったとしても、「お化粧」した資料を浦安市に提出すれば良いと公言していました。税金による補助金を、実際の計画と乖離した資料にもとづいて過剰に申請したうえで、市に指摘されない限り修正しない、あるいは市に指摘されたとしても監査をごまかすということなのであれば、それは許されていいことなのでしょうか。
 具体的な発言例を紹介します。園長は「浦安市の補助金を、浦安市に勤務している実態のない職員につけることは問題ではないか」と、取締役らに問題提起していました。ところが、取締役の二人は、反対する園長を次のような言葉で説き伏せました。

「資料を全部揃えておけば、他の園の職員がそっち(A園)で勤務していても、監査員の人はわからないですよね」
「できればやりたくないですよ。そんなことはグレーなんだから」
「こっちの園の人をそっちの園の名前でというのは、やらないで済むならそれが一番いいですけど」
「架空の人を作り上げているわけではない。実際に働いている人をどのように配置して補助金を獲得するかという中で、「監査対策」はどうしても必要になる」
「どうしても運営していく中で、配置上の名前を変えて、出勤簿を「お化粧」したのは事実です」

 特別監査があった直後にも、取締役は実態と異なる勤怠の提出について、「売り上げをつくるためにできることをしようとした。いいこととは思ってないです。ブラックだし」と吐露しています。
 これらの発言は、取締役たちが「グレー」「ブラック」であることを自覚しながら、計画や実態と異なる書類を市に提出することを開き直ったものと私たちは考えています。
 取締役たちのこのような補助金のやり取りに巻き込まれ、止められなかったことについて、ユニオンに加入した園長(当時)は著しい精神的苦痛を受け、いまだに罪悪感を覚えています。
 私たちは保育がしたくて保育園で働いているのであり、実態と明らかに異なることがわかっていて補助金を受給することは、市や保護者の皆さんに顔向けできることではないと思っています。
 当時の園長は、このことに少しでも抗おうと問題視したために取締役たちから目をつけられてしまい、退職に追い込まれる大きな原因となったと私たちは考えています。
 
労働組合を通じて、改善を求めていきます
 
 このままでは充実した保育・教育どころか、いつか大切なお子様が怪我をしてしまってもおかしくありません。
そのため、このような実態を改善するよう労働組合(介護・保育ユニオン)として働きかけ、会社に対して経営に関わる取締役2名のA園の経営からの退陣、私たち3名の復職などの要求を行っていくことにしました。
 会社には私たちの訴えを真摯に受け止めてきちんと誠実な対応をしてもらいたいです。私たちは諦めずに会社と交渉をしていきますので、皆さん是非応援をよろしくお願い致します。


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