私はJPホールディングス・日本保育サービスらが運営する「アスク保育園」で働く元園長の保育士です。
 現在、介護・保育ユニオンに加盟して、団体交渉を行っています。
「アスク保育園」を全国展開するJPホールディングスは2020年度、東京他沖縄の計5園の保育園を閉園しました。中でも沖縄県那覇市の企業主導型保育園「アスクあけぼの海宝保育園」は年度途中にわずか3か月前の告知12月末に閉園しました。
 私はその閉園したアスク保育園で、園長として勤務していました。

 詳細は、こちらの記事をご覧ください。

保育園の最大手が全国で「一斉閉園」 なぜ保育ビジネスの「撤退」が始まったのか?

 私が閉園した「アスク保育園」で園長職のオファーをもらい、家族で引っ越しまでして働き始めたのは、2020年4月のことです。
 ところが4月に園長として着任し、わずが5か月後の9月中旬に会社の決定として「閉園」を告げられ、退職するか、他の園に異動するか、どちらかの選択を迫られました。
 周辺に園長職の空いているアスク保育園がなく、園長職を維持するには片道2時間、往復4時間かかる別の園で勤務せざるを得ません。
 育児と仕事の両立が不可能であることから、自宅から10分ほどの場所にある別のアスク保育園に異動するしかなくなりました。

 私はいま、異動先の「アスク保育園」で一般保育士として勤務しています。閉園によって、2022年3月までは保障するが、園長の水準での給与は2022年4月以降は維持できないと、本社から伝えられました。
 家族で引っ越してまで就職を決めたのは、「アスク保育園」での園長職のオファーを受け、給与を始めとする労働条件に合意したためです。
 家族で引っ越すには、子供の保育園の受け入れ先、主人の転職先、住居など様々なことをクリアする必要があり想像を遥かに超え困難でした。
 引っ越しは1年や2年の短期的ものではなく、子供の小学校、中学校、高校の学習環境も計画の中にいれた長期的なもので、園長職と一般保育士では年収150万程の差があり、当然わずか1年間の給与保障では生活に支障をきたします。
 今回は会社の一方的な「閉園」の決断による労働条件の不利益変更であり、到底納得できるものではありません。

 2020年11月に実施された決算に関するJPホールディングス社長の話の中で2021年への抱負を「全社員が自分の会社を誇りに思ってくれる会社にしたい」と言っており、社長にも手紙を送りましたが、何の返答もなく社員の心に寄り添っていない事実が明確になりました。
 日本保育サービスは2017年2月に厚生労働大臣より「プラチナくるみん」の認定を受けましたが実際には育児と仕事を両立する環境は整っておりません。

 会社は雇用契約の内容を維持する必要があります。
 私は介護・保育ユニオンを通じて、2022年4月以降も園長職での賃金を維持するよう、団体交渉を申し入れました。
 しかし、JPホールディングス・日本保育サービスは賃金の維持を拒否しています。

 しかもJPホールディングス・日本保育サービスは、会社は黒字であるにもかかわらず、わずか数ヶ月での保育園の閉園について、保護者や子どもたちについての影響があったことを全く認めていません。クレームもなかったと開き直っています。
 保育園を運営する会社が、利用者よりも利益のことしか考えないようなことがあって良いのでしょうか
 その上、そこで働いていた職員の賃金まで下げるようなことがあって良いのでしょうか。

 JPホールディングス・日本保育サービスに対して、突然の閉園をやめ、閉園による不利益をなくすよう求めています。