日本保育サービスで保育士として勤務するものです。

 閉園した「アスク保育園」の園長のオファーを受け、その労働条件を基に家族で移住を決断しました。
 ところが着任してからわすか5か月で保育園が閉園になることが伝えられ、園長職を奪われ、今は一般保育士として勤務してます。
園長職から一般保育士になることで年収150万の減額になり「労働条件の不利益変更」になります。

 先日、労働条件の維持を求めて団体交渉を行いました。
 会社側からは、団体交渉の前日に、人事部に異動になった、面識のない2名の職員が参加しました。直接の当事者である社員は参加していませんでした。

 保育園を運営する会社の社員が、告知わずか三か月での保育園閉園に対し、日常で起こりうる他の事と同様に「仕方ない」という意見しかなく呆れてしまいました。

 具体的には以下のようなやりとりがありました。

組合:3ヶ月後の閉園を告げられたら、ご自身の立場だったらどう思いますか?
会社社員A:自分だったら次どうするかを考えるだけだ。

組合:3ヶ月後の閉園を告げられたら、保護者の方たちにとって負担ですよね?一般論として。
会社社員A:生活しているわけだから、保育園の閉園に限らず、いろんな出来事が起きていて、それに対応しなければいけないということが大変だというならばそれは大変の内の一つなんだと思いますけど。人間、生活している中なので、私の身の回りでもいろんなことがおきますし、それに対応していかなければならない、それが大変だっていうんなら大変になるんじゃないんですかね。

組合:生活していると大変なことは起こるので、保育園の閉園はそれと同じということですか?
会社社員A:そういうことになると思います。

組合:Bさんはどうですか?
会社社員B:保護者に負担はかかると思うが、私が預けていた保育園は閉園しなかったので、実際どうなるかはちょっとわからないです。

組合:やはり三ヶ月で閉園は大変ですよね?
会社社員B:期間はどうかちょっとよくわからない。

組合:期間がどれくらいだと、大変なのか、というのははっきりわからないということですか?
会社社員B:そうですね。

組合:例えば、一年後に閉園するのと3ヶ月後に閉園するのは保護者の大変さは違いますよね?
会社:…。

組合:子どもは物ではない。突然の閉園でショックを受ける。親しかった先生や友達と離れないといけなくなるし、泣いてしまったりする。閉園にあたって、子どもへの影響は考慮したのですか?
会社:直接意思決定に関わってないのでわからないがそうだと思います。

組合:子どもの影響を考慮した上で、赤字を優先したということですか?
会社:お子さんのことももちろん考えて、転園先も紹介して、最終的に閉園したというのは事実です。

組合:結局、告知して3ヶ月後に閉園するというのは望ましいことではない、というのは一概には言えない、ということですか?
会社:そうですね。


 保育園に通う子供達は「物」ではありません。たとえ他の保育園が見つかったとしても突然通いなれた保育園か先生も友達も知らない慣れない場所で保護者と離れて長時間過ごすのは子供にとっても保護者にとっても大きなストレスです。それを「近隣の保育園の空き状況を調べて提案した」からよい、と言わんばかりの態度でした。

 全く保育園を理解していない社員が団体交渉に参加し話にならない状況でした。
 団体交渉の前日に人事異動により、突然この団体交渉の場に参加することになった2名の社員が、直接の当事者からのヒアリングを十分に行なっているとは言えない状況で、全体の状況も把握しているとは思えませんでした。

 肝心の労働条件の維持に関しては途中で時間切れになってしまい次回に持ち越すことになりました。
 次回の団体交渉は直接の当事者である社員の参加を要求し、団体交渉の場で確認事項が発生しないようにします。
 さらにマスコミへの宣伝活動も開始する旨も会社に伝え終了しました。

 今後も、JPホールディングス・日本保育サービスに対して、突然の閉園をやめ、閉園による不利益をなくすよう求めていきます。